この記事を読んでいるあなたは、「自分を責める傾向があってしんどいと感じている方」でしょう。そして、自分を責める癖を治す方法を探しているのだと思います。
実は、本人が認識しているかどうかに限らず、世の中の95%以上の人が「自分を責める癖」を持っています。そして、その癖との付き合い方が適切ではないため、癖を治すどころか、逆に癖を強めてしまっているのです。
そこで本記事では、自分を責めるのがしんどい人向けに、自分を責める癖を治す方法を解説します。記事の後半では、具体的な方法を解説しますので、実際にその通りにやってみることで、癖が弱まっていくのを実感していけるはずです。
1. 自分を責めるのがしんどい人
あなたは、自分を責めるのがしんどいと感じており、解決策を探しているかもしれません。ですが、いきなり解決策の説明に入る前に、まずは自分を責めるのがしんどい人の実態について解説していきます。
1.1. 自分を責める人の9つの特徴
まず、自分を責める人の特徴を説明します。あなたにどの程度当てはまるかどうかをチェックしてみてください。
1.1.1. 打たれ弱い
自分を責めてしまう人は、他の人の数倍ダメージを受けやすいので、打たれ弱く、心がヤワなのが特徴です。
失敗した時や誰かに何かを指摘されたときはもちろん、本来自分を責める必要が何もないはずのタイミングにも、自分を責めて自滅してしまいがちです。
たとえば、転職活動などで、一度「不採用」となると諦めてしまうような行動パターンを取りがちです。
メンタルが強くなく、本当は行動したほうが良いと思っても行動せず、チャンスを逃してしまうこともあります。
1.1.2. 長時間落ち込む
自分を責める人は、一度自分を責めるためのトリガーが引かれたら、そのまま長時間落ち込み続けることが多いです。
それによって、ある出来事で落ち込んだことで、別のことをするときも落ち込んだ状態のままなので、色々なことが上手くいかない状態が続いてしまいます。
1.1.3. 一度のミスを何度も繰り返し思い出す
自分を責める人は、直近のミスや昔のミスをわざわざ思い出し、それに浸ることをします。
冷静に考えれば、そのミスによって自分を責める回数が増えるほど損な気がしますが、何度となくそれを思い出すわけです。
1.1.4. 真面目であり「今度はしっかりやります」が多い
自分を責める人は真面目であることが多く、一度失敗したらその失敗を今度はしないように、今度はしっかりやろうとします。それを周りに宣言し、「今度はしっかりやります」と伝えることも多いです。
一見すると真面目なので良いことにも思えますが、自分を責める裏返しとして真面目にしているわけです。
1.1.5.「すみません」「申し訳ありません」が多い
自分を責める癖のある人は、「すみません」という言葉を口癖のように使います。
「すみません」は、たいていの場合、本当には自分を改める気が無いにも関わらず、自分を責めて事態を収めるために使われる言葉です。
「すみません」と言う度に本人の気分は暗くなり、その場の空気もどんよりします。
1.1.6. 他人に責められる心配が絶えない
自分を責める癖がある人は、自分のことを他人から責められる怖れが消えません。
そして、実際に責められる機会が増えます。なぜなら、自分が信じていることは現実化するものであり、自分が責められると思っていれば、実際に責められるからです。
1.1.7. 他者が自分を責めていなくても自分を責めたい
1.1.6のように「自分が悪い」と思っているので、仮に「あなたは悪くないよ」と他者に言われたとしても、「自分は悪い」と思って自分を責めてしまいます。
こうなると、周りの人からはどうしてあげることもできず、本人が「私は悪くない」と思えるまでは、その状態から抜けるのが難しいです。
1.1.8.自分を甘やかすのが苦手
自分を責める癖を持っている人は、逆に自分を甘やかすのがとても苦手です。
ここでいう「甘やかす」とは、「自分を責める癖を弱めるための行動」を意味します。
そのため、普段自分に厳しく接している反動で、単に休みたくなったり、美味しいものを食べたくなったり、お酒を飲みたくなったりするのは、「甘やかす」とは話が別です。
自分を責めていたいために、自分を責める癖を弱めることを苦手としているのです。
1.1.9.一人反省会が好き
自分を責める癖がある人のなかには、一人反省会を好む人もいます。
自分が失敗に至った経験を振り替えることで何かに活かすことを目的として、ノートやメモ帳を片手に反省をするわけです。
ですが、もし自分を責めるために振り返りを行っていたら、振り返りが上手くいかないばかりか、むしろ振り返ることを通して自分を責めてしまいます。
すなわち、「なぜ失敗したのか?」という表面的な動機の裏に、「こんなにも悪いことをした私はダメな人間だ」という責めの気持が隠れており、振り返れば振り返るほど、自分を責めてしまうのです。
2. 自分を責める癖の原因
それでは、自分を責める癖の原因は何なのでしょうか。順を追って本質的な原因を解説していきます。
2.1. 自分を責めてしまう心理
自分を責めてしまう心理の本質は、「罪悪感に浸ること」です。
なかなか受け入れがたいことかもしれませんが、自分を責めること自体が目的であり、途中のプロセスはどうであれ、最終的には、あらゆる活動が自分を責める結果に行きつきます。
表面意識では、罪悪感に浸ってしまうという認識ですが、深層意識では、罪悪感に浸っていたいのす。
自分を責めているときの感覚が好きであり、その感覚に引き寄せられ、ひとたび罪悪感を抱けるチャンスを見つけたら、ずっとそこに浸り続けようとします。
自分を責めるために、あらゆる出来事を利用しているのであり、人生全部が自分を責めるための材料集めのために機能していると言っても過言ではありません。
たとえば、自分を責めているAさんという人が、自分のことを上司から責められないようにと思い、仕事で失敗しないために、たくさんの残業をして時には徹夜で働いたとします。
その結果、寝不足になってしまい、普段ではありえないミスをしてしまい、結局上司から怒られてしまったとしましょう。
このように、自分を責めている人は、自分のことを責められる現実から逃れようとしてもがいているつもりでも、結局自分を責められる現実に出逢ってしまいます。
本人の深層意識にとっては、失敗したほうが都合がよいのであり、失敗することを積極的に全力で望んでいます。
物事がスムーズにいってしまったら、自分を責めてもらえなくなるので、人生が出来るだけスムーズにならず、誰から責めてもらえるように、無意識のうちに選択を行ってしまいます。
つまり、罪悪感に浸っていたいという気持ち自体をなくさない限り、表面的にどうあがこうとも、最終的に行きつく「責められる」という現実は変わりません。
2.2.自分を責める方が楽
少し違った角度から説明すると、自分を責める癖がある人は、自分をいたわること、労うこと、大切にすること、褒めてあげることよりも、自分を責める方が楽だと感じています
「よくやったね」と自分に言ってあげたくなくて、自分がダメであることにしておきたいと思っています。
自分をダメだと思う事実ばかりにわざわざ目を向けたがり、そうやって、「責める手を休めてはいけない」といった感覚をもっています。
3. 自分を責める癖を治す方法 STEP1
それでは、自分を責めていたい人が自分を責める癖を治す方法は、どのようなものなのでしょうか。
3.1. 「今の自分もOK、なりたい自分もOK」にする
まず、いきなり本題に入る前に、人生を変えるための大原則を説明します。
それは、「今の自分もOK、なりたい自分もOK」と思えて初めて、「なりたい自分」になれるというものです。
実は、「今の自分はNG」という心だと、「なりたい自分」になろうとする時に心のブレーキが掛かり、スムーズに移行できないのです。
もっというと、今の自分を楽しむことが重要となります。「今の自分が最高にハッピーだけれど、なりたい自分はさらにハッピーだから、なりたい自分になりたい」と思えたら、徐々になりたい自分への移行が始まるのです。
3.2. 自分を責める癖を持っていても良いことにする
上記の原則を当てはめると、「自分を責める癖がある自分はNG」と思ったままだと、自分を責める癖を治しづらいことになります。
だから、自分を責める癖を持っている自分を受け入れてあげるのです。
そもそも、自分を責める癖がある人は、自分を責める癖を持っていること自体を責めてしまいがちだからです。
元も子もないのですが、自分を責めるたびに「あぁ、また自分のことを責めてしまった。」と感じ続けていると、それによってさらに、自分を責める癖が強化されてしまいます。
なので、まずは、「自分を責める癖を持っていてもOK!」と思うことにしてみてください。
実際に、あなたの周りにも、自分を責めていても素敵な人はいるでしょう。その人たちのように、自分を責めていてもOKと思うことから始めましょう。
・・・これを聞いたあなたは、自分を責めている自分を受け入れてしまったら、その癖を治せないと思うかもしれません。
「その癖を治すには、癖を持っていることが悪いことだと思わなければいけない」とすら思っているかもしれません。
ですが、まずは、自分には、自分を責める癖があることを受け入れてみてください。そのような癖があることが間違いでもなければ、それを治さないといけないわけでもありません。
そういった癖があるのが、ありのままの自分なのだと受け入れてみることから始めます。
自分を責めて、落ち込み、それに長い時間を使って物事がストップしたとしても、それも踏めて楽しむ。そんな自分も可愛いなと思って、大切にしてあげる。
何なら、わざと自分を責めようとしてみるとよいかもしれません。今は「気づいたら無意識のうちに責めてしまっている」だけれど、「わざと意識的に自分を責める」ことをやってみるのです。
やろうとしてみると、急にバカバカしく感じられてくるかもしれません。
以上の方法を行うことで、「あれは良い、これは悪い」という基準が無くなることが、自分を責めなくなるための必須条件となります。
そうした基準があるうちは、その基準をクリアできない度に、自分を責めてしまうからです。
色々なことに対して、良い意味で不真面目になり、「最近ゆるい自分になってきたな」と思えてきた頃には、随分と自分を責める癖が弱まっているでしょう。
4. 自分を責める癖を治す方法 STEP2
自分の責める癖を治す方法として、STEP1を行ったうえで以下のことを行うと、さらに効果的でしょう。
4.1. 自分の良いところをたくさん書いてみる
自分の良いところを、紙でも良いですし、パソコンやスマホのメモ帳でもよいので、とにかくたくさん書き出してみてください。
実際に良いかどうかは関係がなく、「自分が良いと思うところ」「他人から褒められたところ」などを自由に書き出します。
目安として、50個くらい書けると良いと思いますが、書けるだけ書けばOKです。
このとき、書きながら辛さや不快感を抱くようであれば、このワークは上手くいっています。休みながらでも良いので、出来るたくさん書き出しましょう。
書き出すことで、自分のネガティブなところばかりでなく、ポジティブなところにも目を向ける神経回路が出来ていくため、自分を責める癖が随分と弱まるはずです。
4.2. 自分の身体をなでてあげる
これは、一見すると意味が無いように思えて意外と効果がある方法なのですが、時おり思い出した時に行うくらいで十分なので、自分の身体をなでてあげます。
そのときに、自分をいたわる気持ちや、大切に思う気持ちでなでてあげると効果的です。行った瞬間に何かが劇的に変わったようには感じられないと思いますが、それでOKです。
あなたの認識には上がらなくても、あなたの心は確実に変化しています。できれば、身体の中でも普段あまり触らないようなところに積極的に触っていくのがおすすめです。
4.3. 自分をくつろがせる
そして、やり方は何でもいいのですが、自分が心地よいと思うことをしてみてください。
温泉に入るのがくつろぐ人は入ればよいですし、走るのが心地よい人はそれでOKです。マッサージでも良いですし、とにかく自分が楽だと思うことをしてあげてください。
これは、自分の責める癖を治すために役立ちますが、それ以上の効果があります。人生全般が劇的に変わっていくからです。
5. 自分を責める癖を治す方法 まとめ
- 自分を責める人の特徴には以下の9つがある
- 打たれ弱い
- 長時間落ち込む
- 一度のミスを何度も繰り返し思い出す
- 真面目であり「今度はしっかりやります」が多い
- 「すみません」「申し訳ありません」が多い
- 他人に責められる心配が絶えない
- 他者が自分を責めていなくても自分を責めたい
- 自分を甘やかすのが苦手
- 一人反省会が好き
- 自分を責める癖の原因
- 自分を責めてしまう心理の本質は「罪悪感に浸ること」
- 自分を責める癖がある人は、自分をいたわるより、自分を責める方が楽だと感じている
- 自分を責める癖を治す方法 STEP1
- 「今の自分もOK、なりたい自分もOK」にする
- 自分を責める癖を持っていても良いことにする
- 自分を責める癖を治す方法 STEP2
- 自分の良いところをたくさん書いてみる
- 自分の身体をなでてあげる
- 自分をくつろがせる