本記事は、次のような人たちに向けて書いています。
- 自分と向き合うのがしんどいと感じる人
- 自分と向き合うことから逃げている人or逃げようと思っている人
最初にお伝えすると、あなたが自分と向き合うことについて「しんどい」「逃げたい」と感じていることは、非常に素晴らしいことです。
なぜかというと、それは、あなたが人生を次のステージに進めるために、今までと全く違う大きな一歩を踏み出せていることを意味するからです。
そんなことを急に言われても、信じられないかもしれません。それは、これまでのあなたは、自分に向き合うのがしんどいと感じていることや、自分と向き合うことから逃げることを、悪いことだと思ってきたからです。
そんなあなただからこそ、本記事を読み進めることで、あなたが真に気が付くべきことに気がつけ、今までにない新たな一歩を踏み出せるようになるはずです。
1. 自分と向き合うのがしんどい時の心境
まず、自分と向き合うのがしんどい時には、どのような心境にあるのかを整理しておきます。
1.1 自分の現状が嫌で、自分に向き合わないといけないと思っている
まず大前提として、あなたは自分の現状が嫌で、そんな自分を変えたいと思っているはずです。人生には、お金や仕事、人間関係、健康、心など、さまざまな問題や悩みがあり、その何かを解決したいと考えているのかもしれません。
そして、「過去と他人は変えられないが、自分は変えることができる」という格言もあるように、自分を変えるためには、自分に向き合うことが大切だと知っているのでしょう。
または、中国の兵法書で孫氏が「彼を知り己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」と述べているように、自分を知るために、自分と向き合おうとしているのかもしれません。
いずれにせよ、自分のやり方、生き方、マインド、価値観、潜在意識、人間関係など、自分の何かを明らかにして、それを変えれば、自分の人生を変えることができると思い、自分と向き合うことに取り組んでいるのだと思います。
1.2 自分と向き合うと、自分の嫌なところばかりが見えてくる
そんなあなたは、自分と向き合うことをしんどいと感じ始めています。
その最たる原因は、自分と向き合うと、自分の嫌なところばかりが見えてくるからでしょう。
自分の苦手なこと(コンプレックス)、後悔していること、トラウマ、目の前の数々の問題など、目を背けたくなる事象はたくさんあります。
そして、どんな出来事を観ても、そこには自分の嫌なところがセットで見えてきて、心が苦しくなってくるかもしれません。
「こんな自分だから、今のこんな問題が起きているんだ」と気がつくけれど、そんな自分をい直視するのが辛いと感じていることでしょう。
1.3 自分と向き合うのが好きと感じている
ここで、少し視点を変えると、自分と向き合うのがしんどいと感じているあなたは、昔から自分と向き合うことを少なからず行って来たのではないでしょうか。
どちらかというと外向的というよりは内向的で、自分の心やスピリチュアル、自己啓発といった分野に興味がある。そして、自分と向き合うことを頻繁に行い、そのために、カフェや自宅で一人時間を確保する習慣があるのかもしれません。
あなたは、自分と向き合うことに関して人一倍真面目で、周囲の人と比べても自分の心のことについて、自分なりに真剣に向き合ってきた自負もあることでしょう。
場合によっては、「自分に向き合うのが好き」というよりは、「自分と向き合わざるを得なかった」という認識を持っている方もいるかもしれません。ですが、それもひっくるめて、こうして自分と向き合うことに対する関心が強いことは間違いないでしょう。
1.4 これまで散々自分に向き合おうとしてきたが、上手くいかなかった
ただ、同時に、そうやって自分に向き合おうとしてきた割には、自分が期待しているほどの成果を上げて来れなかったと感じているのではないでしょうか。
もちろん上手くいった部分もあるでしょう。そうやって自分に向き合う時間を費やしてきたことで、自己分析に優れ、就職活動などで自分に合った仕事を見つけるのに役立ったという方もいるかもしれません。
ですが、人生における心の悩みが消え去るほど大きな成果を上げられたか?と聞かれると、人一倍多くの時間を費やした割には、それに見合う成果を得られたとは感じていないのでしょう。
それもあって、自分に向き合うことをしんどいと感じたり、自分と向き合うことから逃げたいと感じたりしているのだと思います。
1.5 具体的に何をしたら良いのか分からない
そして、これまで自分と向き合うために様々取り組んできたけれど、これから先、何をしたら良いのか具体的な方法が見えていないのかもしれません。
あるいは、方法は分かっていても、それを通して成果を上げられる自信がない方や、成果を出せるまで継続できる自信がない方もいるでしょう。
なぜなら、そこまで具体的な未来を思い描けていたら、あとはそれを実行すればよいだけだと分かっていながら、それでは何かが違うと感じ、別の処方箋を求めて本記事に辿り着いているはずだからです。
2. 自分と向き合うのがしんどいと感じる根本原因
さて、それではあなたが自分と向き合うのがしんどいと感じる根本的な原因とは何なのでしょうか。
結論から言えば、あなたが自分を向き合おうとする過程で、自分を責めてしまうからです。
たとえば、あなたには感情を抑えきれない傾向があり、今日も家族に怒鳴ってしまったとします。そんな自分を変えたくて、怒鳴ってしまった自分に向き合おうとした場合、怒鳴ってしまった自分を責めてしまっているわけです。
「どうして怒りを抑えきれなかったのだろう」とか「優しくすると決めたのに、また怒りをぶつけてしまった」など認識の仕方は様々かもしれませんが、いずれにせよ、あなたが自分を責めていることには変わりがないでしょう。
そうやって自分を責めることで、長い間落ち込み、仕事や家事などが手につかなくなって、回復に時間が掛かるかもしれません。お酒を飲んだり、長時間の睡眠を取ったり、気晴らしに出かける方も多いでしょう。
3. 自分と向き合うのがしんどい人は、自分と向き合ってはいけない
そんなあなたに伝えたいのは、もしあなたが自分と向き合うのがしんどいと感じているなら、自分と向き合ってはいけないということです。理由は2つあります。
3.1 自分と向き合うことではなく、自分を責めることが真の目的になっているから
これは、あなたが薄っすらとは分かっていても、非常に受け入れがたい事実でしょう。
ですが、敢えてハッキリと言うなら、あなたが行っていること本質は、自分と向き合うことではなく、自分を責めることだということです。
実は、意識には階層があるため、あなたが表面の意識で「自分と向き合う」という意図で何かを行っていても、深層の意識では「自分を責めよう」と思っており、それに気が付いていないことがよくあります。
そう聞くと、「自分に向き合わないと状況を変えられないのだから、自分を責めてしまったとしても仕方がないじゃないか!」と憤慨する方もいることでしょう。
私は、あなたが自分を変えようとして自分と向き合ってきたこと自体は、非常に素晴らしいことだと思っています。なぜなら、それ自体は、向上心からの行動だからです。
ただ、その向き合うための行動が、同時にあなたに「しんどい」と感じさせてしまっていることも事実であり、率直に言えば、傷口に塩を塗っていることをしてしまっています。
自分のどこがいけなくて、この現象が起きているのかを突き詰めようとすればするほど、自分を責めてしまっているのです。
これに関連して、俗に「セカンドダメージ」という言葉があります。これは、過去の自分の心の傷について思い出すことで、あらためて落ち込み、2回目の傷を負うということです。あえて自分から傷つくことを選んでいるとも言えます。
3.2 既にやっていて上手くいっていないなら、そのやり方こそ間違っているから
自分と向き合ってはいけない2つ目の理由は、それはもうあなたが十分に行って来たうえで、十分な成果を得られないと実証済みのやり方だからです。
これは、あなた自身の実践経験が証明していることでしょう。
人生を変えるためには、正しいやり方を継続して行うことが大切です。ですが、あなたが今信じて行い続けている「自分と向き合う」というやり方は、既に何十年かやり続けてきたうえで、十分な成果を得られなかったやり方のはずです。
それなら、そのやり方をやり続けても、あなたが今の枠から出ることはありません。やっていることは、一見すると正しいように思える「自分と向き合う」という方法も、自分を責めることを目的として行ってしまえば、単に「百害あって一利なし」になってしまいます。
つまり、自分に向き合うやり方をしてきて、十分な成果を得られなかった今のあなたにとって必要なのは、「自分に向き合うこと」以外のやり方というわけです。
4. 自分と向き合うことから逃げると良い理由
以上のことから、誤解を恐れずに言えば、「あなたは自分と向き合うことから逃げると良い」と言えます。
その理由は、逃げることで、自分を責めるのをやめることができるからです。
長年、自分と向き合うことを通して自分を責め続けてきたあなたにとっては、逆に、自分と向き合うことから逃げることこそが最も選びにくい選択肢であることも知っています。
ですが、だからこそ、あなたにとって可能性に満ちあふれているわけです。
今までのあなたにとっては、
自分と向き合うこと(=自分を攻めること)>>自分と向き合うことから逃げること
というように、逃げることは悪いことで、逃げてしまえば自分を変えられないままになると思ってきたことでしょう。
だから真面目に自分に向き合ってきたわけですが、あなたにとって「自分を向き合うことから逃げること」は、まだ十分には試していないことのはずです。
自分と向き合うことから逃げることは、あなたにとってブレークスルーとなり得ます。
5. 自分と向き合うことから上手に逃げると人生は発展する
つまり、自分を責めるクセがあるあなたの場合、自分と向き合うことから上手に逃げると、人生は発展します。
なぜなら、自分と向き合うのをやめて、自分を責めるのをやめることで、自分を責めるクセを外していくことができるからです。
そうなれば、いちいち自分を責めて落ち込み、自己評価を落とすこともなくなります。それによって疲れることも減るでしょう。
もちろん健全な意味で向き合うことが必要なこともあるのですが、真面目に自分に向き合うことをし続けてきたあなただからこそ、実は自分と向き合うことを辞めることで得られるものは、非常に多くあります。
6. 自分と向き合う まとめ
- 自分と向き合うのがしんどい時の心境は5つある
- 自分の現状が嫌で、自分に向き合わないといけないと思っている
- 自分と向き合うと、自分の嫌なところばかりが見えてくる
- 自分と向き合うのが好きと感じている
- これまで散々自分に向き合おうとしてきたが、上手くいかなかった
- 具体的に何をしたら良いのか分からない
- 自分と向き合うのがしんどいと感じる根本原因は、自分と向き合おうとする過程で、自分のことを責めてしまうから
- 自分と向き合うのがしんどい人は、2つの理由から自分と向き合ってはいけない
- 理由1:自分と向き合うことではなく、自分を責めることが真の目的になっているから
- 理由2:既にやっていて上手くいっていないなら、そのやり方こそ間違っているから
- 自分と向き合うことから逃げると良い理由は、逃げることで、自分を責めるのをやめることができるから
- 自分と向き合うことから上手に逃げると、自分を責めるクセを外していくことができるため、人生は発展する